幡ヶ谷司法書士事務所

TEL 03-6276-2206

季節の写真

不動産の贈与・売買

死因贈与とは

死因贈与とは、当事者の一方(贈与者)が自己の財産を無償で相手方(受贈者)に与える意思表示をし、相手方がこれを承諾することによって成立する契約であり、贈与者の死亡によって効力が生じます。
簡単にいうと
A : 「私が死んだらこの土地をBにあげます。」
B : 「もらいます。」
という贈与契約を生前にしておきます。
そして、後日Aが亡くなったらBは土地をもらうことができます。

1.遺贈との違い

① 死因贈与は贈与者の申し込みと受贈者の承諾という契約(当事者の合意)であるのに対し、遺贈は遺言による無償譲渡であり、遺贈者(遺言者)の一方的な意思表示(単独行為)によります。

② 死因贈与は遺言のように厳格な様式は要求されておらず、当事者の合意で成立するので、口約束でも可能です。
ただし、死因贈与に関して利害関係人から異議をとなえられた場合、贈与者は既に亡くなっているので、口約束だけでは贈与者の契約意思を証明することは非常に困難です。契約書は必ず書面で作成し、公正証書であればより安心です。

③ 遺贈は一方的な意思表示なので、いつでも撤回ができます。
死因贈与は契約なので、遺贈よりも拘束力が強く、贈与者の死後、より確実に贈与者の意思を実現できます。

④ 死因贈与の場合には仮登記をすることができますので、契約後贈与者が勝手に不動産を売却してしまうこと等を防ぎ、受贈者の保護を図ることができます。

⑤ 死因贈与は贈与者と受贈者との契約であるため、受贈者は事前に財産を受けることがわかっていますが、遺贈の場合には遺言を開封するまでわからないこともあります。

贈与者(遺贈者)の死亡によって効力が発生する点はともに同じです。

2.死因贈与契約書・執行者について

死因贈与契約の有効性等後日の争いを防ぐために死因贈与契約を公正証書にしておくことをお勧めします。

公正証書で作成の上、執行者の指定があれば、執行者と受贈者で手続きを進めることが可能になります。
仮に執行者の指定がない場合には、原則として贈与者の相続人全員の協力が必要になり、手続きが煩雑になります。確実に契約内容の履行を望む場合には、執行者を指定しておけば安心です。(贈与者の死後、家庭裁判所に執行者の選任を申し立てることも可能です。)

さらに、公正証書で贈与者(仮登記義務者)が死因贈与に基づく所有権移転仮登記をする旨を認諾している場合には、受贈者(仮登記権利者)からの単独で登記申請が可能になります。

3.登録免許税

登録免許税は土地・建物ともに固定資産評価額の2%です。